最近は、他の施設(特に産婦人科)からの、ご紹介患者さまが増加しております。
初めての患者さまには、
を実施しております。
また、甲状腺結節(腫瘍)に関しては、必要があればエコー検査下で「針生検」を施行しております。
入院加療を含めて当院ではできない検査、治療に関しては、速やかに大学を含めた関連病院にご紹介しております。
甲状腺は、頸部の(のど仏)下部にある甲状腺ホルモンというホルモンを産生する臓器の名前です。
甲状腺には、濾胞といって甲状腺ホルモンを合成したり、蓄えておいたりする(貯水池)構造があります。
甲状腺ホルモン(人間が元気に生きていくために必要なホルモン、言うなればエネルギーを発散させるホルモン)は、脳にある下垂体という臓器から産生される甲状腺刺激ホルモン(TSH)というホルモンによってその産生が制御されています。
甲状腺疾患は大きく分けて
「甲状腺機能異常」「炎症」
「腫瘍(結節)」に分類できます
「甲状腺中毒症(甲状腺ホルモンが増加する)」と「甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが低下する)」に分けられます。
ⅰ)甲状腺機能亢進症とⅱ)亢進症以外の中毒症に分かれます。
【ⅰ.甲状腺機能亢進症】
甲状腺機能亢進症には、甲状腺の病気の中でも最も代表的な病気であるバセドウ病や、腫瘍がホルモンを産生するPlummer病(プランマー病)などがあります。
甲状腺機能亢進症を同義的にバセドウ病と使われておりますが、厳密には病名というより甲状腺ホルモンの産生が高まっているという状態を表す言葉です。
【ⅱ.亢進症以外の中毒症】
亢進症以外の中毒症の多くは、破壊性甲状腺炎による中毒症によるものです。
破壊性甲状腺炎というのは、甲状腺の濾胞(貯水池)が壊れて中にある甲状腺ホルモンが漏れ出てしまい血中の甲状腺ホルモン濃度が高くなる病気です。
ウイルスによると思われる亜急性甲状腺炎と自己免疫によると思われる無痛性甲状腺炎があります。
これらの病気では、血中の甲状腺ホルモンは上昇していますが、甲状腺でのホルモン産生が亢進しているわけではありませんので、治療には細心の注意と観察が必要です。
低下症をおこす疾患は先天的な甲状腺形成不全や遺伝子異常によるホルモン合成障害、後天的な各種の甲状腺の炎症やヨード過剰や欠乏、甲状腺手術によるによるもの、バセドウ病治療後によるものなど、非常に多くの原因がありますが、頻度で最も多いのは橋本病(慢性甲状腺炎)による機能低下症です。
これには、a)橋本病(慢性甲状腺炎) b)無痛性甲状腺炎
c)亜急性甲状腺炎 d)急性化膿性甲状腺炎などがあります。
原因は、自己免疫、ウイルス、細菌など多彩です。
甲状腺に炎症による破壊が起こりますので、甲状腺ホルモンの増減も多々あります。
a)良性腫瘍 b)悪性腫瘍があり、各々性質の異なる腫瘍があります。
まれには甲状腺機能異常をきたす腫瘍もありますが、ほとんどの甲状腺機能は正常です。
甲状腺の腫瘍は非常に頻度が高いのですが、潜在性で自覚症状もないことが多いです。
【a.良性腫瘍】
良性腫瘍は生命に重篤な障害をきたすことはまずありませんが、非常に頻度が高く中にはかなり大きくなるものもあり、多数認められることもしばしばあります。
【b.悪性腫瘍】
悪性腫瘍のほとんどが、乳頭癌といわれる比較的おとなしい性格の癌です。しかし、稀に未分化癌に移行すると予後は非常に悪くなります。